金利は私たちの生活に切ってもきれない関係があります。例えば、住宅ローンの手数料や預貯金の利子が、金利影響を受ける際たる例です。
ましてや、投資をするならより詳しく、金利の動きを理解しておかないといけません。
この記事では、短期金利・長期金利とは何か、金利はなぜ上下するのか、それによる投資影響は何か、について分かりやすく解説していきます。
金利とは
金利とは、簡単に言うとお金を貸し借りした時の手数料です。利率や利子と呼ばれることもあります。
この手数料は需要と供給で決まっており、お金を貸したい人が多く借りたい人が少ない場合は当然手数料が下がる方に働き、逆にお金を貸したい人が少ない場合は手数料が上がる方に働きます。
短期金利と長期金利の違い
金利には、短期金利と長期金利の2種類があります。
短期金利・・・
金融機関が1年未満のお金を貸し出す際に適用する金利のことです。代表的な指標は、無担保コールレート翌日物金利です。短期的な資金の貸し借りの需給によって、金利が変動します。資金需要>資金供給であれば金利は上昇し、資金需要<資金供給であれば低下します。お金を借りたい人が多いほど、その手数料(金利)は高くなるイメージを持つとよいです。
▶️無担保コールレート翌日物(むたんぽコールレートよくじつもの)
短期金融市場におけるインターバンク市場(市場参加者は金融機関のみ)のひとつであるコール市場の代表的な取引のこと。金融機関同士が「今日借りて、明日返す」、「今日貸して、明日返してもらう」といったような1日で満期を迎える超短期の資金調達や資金供給を、借り手が貸し手に対して担保を預けずに行う取引です。この金利を「無担保コール翌日物金利」といい、「無担保コールレート(オーバーナイト物)」や、「無担保コール・オーバーナイト・レート」などともいいます。
また日本銀行、通称日銀(にちぎん)は、経済の安定化のために金融政策を実施します。この金融政策の結果、直接的に影響するのが短期金利になります。金融政策として代表的なものが、公開市場操作と言われるものです。簡単にいうと、短期金利は日銀が操作するもの、ということです。
▶️公開市場操作
日銀と銀行との間で国債や手形などの有価証券の売買を行うことで金融市場に出回るお金の量を調整すること。不況時には、日銀は銀行が持つ国債や手形を買う(=買いオペレーション)ことで、銀行の預金残高が増え資金供給が潤わせ、無担保コールレート翌日物(短期金利)を低下させます。反対に景気が加熱しインフレが収まらない時には、銀行の国債や手形を売る(=売りオペレーション)ことで、短期金利を上昇させ、民間企業の工場建設や機械の購入を抑制します。こうして過熱気味の景気は鎮静化し、インフレは収まるのです。
長期金利・・・
金融機関が1年以上のお金を貸し出す際に適用する金利のことです。代表的な指標は、10年物国債です。長期金利は、日銀が操作をする短期金利と違い、様々な要因が絡み合って市場が決めるものです。その変動要因としては主に、為替、物価、景気、金利があります。丁寧にこの変動原理を解説していきます。
長期金利はなぜ変動するのか
長期金利も株価と同じく、これから挙げる要因がどうなるかの”期待”で変動することを覚えておきたい。その要因が起こってから変動するのではなく、起こる前に変動するということです。
1.為替
円安であれば、円から外貨へ資金が流れ、円の資金需要に対して供給が減るため、金利が上昇します。
2.景気
景気が好調であれば、企業は設備投資や営業活動が活発化し資金需要が高まるため、金利が上昇します。
3.物価
物価が上昇(インフレ)すると、相対的にお金の価値は低くなります。そうすると、人々のモノへの購買活動が活発化し、資金需要が高まり、金利が上昇します。
4.金融政策
日本銀行が金融引き締めすることで、短期金利を上昇させ、資金供給を減らします。この金融政策により、長期金利が上昇します。
金利と株価の関係
サラリーマン投資家の皆さまが一番興味深いところはおそらく株価との関係性でしょう。金利と株価はシーソーのように相反する動きをするのが一般的です。金利が上昇すると、株式のようにリスクが大きい(変動幅が大きい)投資対象から、リスクの小さい債権に投資資金が移り、株価は下がります。債権に資金が流入しすぎると、債権価格上昇に伴い金利も下がるので、いずれかはまた株式へ資金が戻ってくる動きになります。
私たちへの影響
一般的に金利による影響で一番身近なものは、銀行で預けたお金につく利子や、住宅や自動車のローンの支払い手数料である金利です。1年未満の定期預金や普通に銀行に預けている預金の利子、住宅ローンの変動金利や短期固定金利は短期金利をもとに、住宅ローンの長期固定金利などには長期金利をもとに金利設定がされています。
現在の日本ように超低金利時代では、貯蓄していても利子がつかないためしっかり資産運用をしていきましょう。